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2020年4月から2枚目以降の処方箋は調剤基本料が安くなる

複数処方箋で2枚目基本料減額
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こんにちはヤクタマです。

今回は、調剤報酬のお勉強です。

2020年の調剤報酬改定で、複数枚処方箋を受け付けたときに2枚目以降の処方箋が減額されるという規定が新設されました。

調剤基本料について、同一患者から異なる医療機関の処方箋を同時にまとめて複数枚受け付けた場合、2回目以上の受付分については所定点数の100分の80に相当する点数を算定する。

またしても医療モール大打撃ですね。

しかも、同一建物ではない医療モール風にもダメージが入ります。

いままでの数ある改定でも、医療機関と建物が違う薬局は、医療モールとしてみなされないためノーダメージでしたが、そこをついてくるような地味に痛い改定です。

たとえば、AクリニックとBクリニックの処方箋を一緒にもってきた場合は、いままで基本料×2回の算定でしたが、今回の改定によりBクリニックの基本料だけ20%オフになります。

調剤基本料1が42点なので2枚目は8点(80円)マイナスになります。3割負担で20~30円安くなる計算です。

薬局にとって減収になるですが、これを逆手にとったナイスな作戦をこのあと紹介します。

2020年(令和2年)の調剤改定では他にもいろんな加算が追加になっているので別記事でまとめています。

調剤報酬改定
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100分の80に「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」は対象になるのか?

「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」は対象外です。

広義の調剤基本料には「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」「後発医薬品減算」も含まれるけど、「100分の80」の減算対象になるのは言葉通りの「調剤基本料」だけです。

根拠▼

次に掲げる調剤基本料に規定する加算及び減算について、これらのうち複数に該当す
る場合は、最初に所定点数に(100 分の 80)及び(100 分の 50)のうち該当するものを乗じ、次に地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算及び後発医薬品減算のうち該当するものの加算等を行い、最後に小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。

調剤報酬点数表(留意事項)より

基本料を「100分の80」したあとに各種加算を加えます。

ちなみに「100分の50」は未妥結減算ペナです。特別調剤基本料とってるとこも対象になるのかは不明ですね。

同時ではなく、同日日に複数受け付けた場合はどうなるのか?

疑義解釈資料(その1)を参照します。

問2 複数の保険医療機関が交付した処方箋を同時にまとめて受け付けた場合、注3の規定により2回目以降の受付分の調剤基本料は 100 分の 80 となるが、「同時にまとめて」とは同日中の別のタイミングで受け付けた場合も含むのか。
(答)含まない。同時に受け付けたもののみが対象となる。

時間差で持ってきた場合は減算しなくてもOKです。あくまでも「同時にまとめて」が要件になります。

2020年改定を受けて薬局がとるべき策略

改定があるたびに薬局は生き残るべき道を模索しなければならない。

そのヒントになればとおもって、僕なりに策略を提案します。

会計が安くなるということは薬局にとって減収だけど、患者にとってはメリットになります。

薬局がとるべき対策

これは絶対にやったほうがいいと思うんだけど「2枚目以降安くなる」というのを薬局から積極的にPRします。

具体的には「処方箋2枚目以降は基本料20%オフ」「処方箋をまとめて持ってくると基本料20%オフ」を手配りチラシ・のぼり旗・ポスターをつかって、なるべく速く患者さんに全力PRします。

まとめて持ってきた方がオトクということを患者さんにPRすることで他の薬局から処方箋をかすめ取ることができます。

ただ、他の薬局にまとめて持っていっても同じことがいえるので、他の薬局がアピールする前に積極的にアピールして、逃げ切ることが大事です。

これは薬局業界が盛り上げるための作戦ではありません。処方箋という限れたパイを取り合う「薬局生き残り合戦」です。如何にして他の薬局(ドラッグストア)を出し抜くかがポイントです。

この争いに勝つためには、なるべく速く行動するしかない。

テレビで制度が紹介される前に、ドラッグストアがPRし始める前に、どこよりも速くプロモーションかけます。当店だけのプレミアムなサービスと思ってもらえるようにがんばります。

実際は、全国共通のサービスですが、あえて「全国で2枚目20%オフ」とか言う必要がないですよね。

点数が発表されたらすぐに動き始められるように準備して、なんなら、点数が発表される前にPRしておきましょう。

たとえマイナス改定であっても、工夫次第でプラス改定に持っていくことができます。

うちだけは生き残るという覚悟が必要なんです。早い段階で処方箋を囲い込めば、それがのちのちの大きなアドバンテージになってきます。

注意点

処方箋をまとめてもらった方が「お得」というマインドとあわせて周知させたいのが「処方箋の有効期限」についてです。

処方箋を溜め込むことで、4日の期限が過ぎてしまうと、薬局の手間が増えるばかり、薬がもらえないリスクさえある。

クレームになりかねない案件なので、ポスターやチラシで周知するなら期限についての記載も必須になります。

終わり

ここまでが2020年の改定のお話です。

ココから先は、受付ルールの確認です。

同一医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合の基本料

上記では異なる医療機関の処方箋を受け付けた場合の規定を紹介しました。

ここから先は同一医療機関の処方箋を同時に持ってきた場合の「基本調剤料」の算定ルールについて解説していきます。

基本調剤料は薬局の受付料のことなので、処方箋の内容にかかわらず受け付けたらほぼ無条件に算定します。

患者はこれを拒否することはできません。「調剤基本料を払いたくない?」ってそれは調剤拒否案件だね。

基本料を拒否するなら薬はおわたしできません。基本調剤料は「受付ごとに1回算定」するので「受付回数=基本調剤料の算定回数」でほぼ一致します。

ほぼっていうことは例外が存在します。この例外を重点的に紹介していきます。

まず、基本ルールがこちらです。

厚生労働省保険局医療課長通知

『同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合、同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方せん又は同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方せんについては一括して受付1回と数える。ただし、同一の保険医療機関から交付された場合であっても、歯科の処方せんについては歯科以外の処方せんと歯科の処方せんを別受付として算定できる。』

これ大事なのでよく読んでくださいね。ここからさきは、これを踏まえて解説していきます。

なんなら要約します。
同一日に、同一医療機関の受付は1回と数える」例外はあるけど原則はこれです。

違う病院の処方箋が2枚の場合

これが一番最初に述べた通りです。

2回受け付けになります。同一日に2枚受け付けた場合は2枚目は減算されるけど、2回受付で算定できます。

続けて2枚入力するだけでレセコン君が自動で減算してくれます。基本料は減算されるけど調剤料や薬学管理料はそれぞれしっかりと算定できます。

基本料だけが減算されます。

同じ病院の処方箋が2枚の場合

大学病院のように様々な診療科があるところだと1日に複数の診療科を受診します。

例えば、皮膚科の処方箋と眼科の処方箋をセットでもってきたりします。

この場合は、別々の処方箋であっても同じ病院からの処方箋は診療科が違くても、処方医師が違くても受付回数を一括して1回と数えます

つまり、調剤基本料や管理指導料は1回だけしかとれず、調剤料も2枚分をまとめた分しかとれません。ここでちょっとした疑問です。

違う診療科をかかることが一連の医療行為に該当するのか?

上記の基本ルールより抜粋

同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方せんについては一括して受付1回と数える。

このように書かれています。

定義によると一連の医療行為に該当しなければ複数回で受付けられることになります。

でも残念ながら、ここもしっかり厚生労働省が言及しています。

『例えば2つの傷病で通院中の患者が、同一保険医療機関の異なるそれぞれの診療科で診察を受けた処方箋が交付された場合、受付1回となります。』

だそうです。

一連の医療行為は、いくつもの疾病があっても一つの医療機関で完結できるのであれば、それは一連の医療行為で完結したことになります。

例外は、これから説明する一度家に帰ってしまった時です。

同じ病院で、午前に受診して処方箋をもらい、一度家に帰ってから、午後にもまた受診して処方箋をもらった場合

ちょっと複雑なんだけど、午前午後で同じ病院を2回受診することはよくあります。よくよく考えると、これは②と同じように思えます。

違うのは、一度、家に帰っていることです。

これによって一連の医療行為が途切れるかどうかが問題になります。

ちょっとむずかしいんだけど、これも普通は受付まとめて1回しか取れません。午前中の最初の1回だけとります。

たとえば、午前中の処方で保湿剤を出してもらうの忘れたから、同じ病院でまた処方箋もらって来た場合とかは処方箋が分かれていても午前の分に保湿剤を追加してあげて1回受付とします。

だしてもらうの忘れたからもう1回行ってきたパターンは一連の医療行為に該当するので1回受付になります

さて、こちらにも例外があって、

『じほう 保険調剤Q&A 平成22年版』でこのような説明がある。

Q.
調剤基本料の算定に関して、「同一患者から同一日に複数の処方箋を受け付けた場合、同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて公布された処方箋は一括して受付1回と数える。」とされているが、同一日の受付で理由の如何を問わず受付1回として算定することとなるのか。
A.
午前の処方箋受付後に患者の病態が急変し、夜に再度医療機関を受診して処方箋を持参したような場合は、別受付として取扱って差し支えない。

いちど家に戻ってから体調が急変して再度受診したときは受付を別にしてもいいと言われています。

体調の急変がどの程度を示すかはわからないけど、

  • 午前風邪で、午後に発熱
  • 午前風邪で、午後に嘔吐

こんな感じで、症状悪化したときは複数回受付にできます。ただ『急変』の部分が定義されていないので、ここはさじ加減で薬局が各々に判断する部分になります。

返戻になってしまったら次から注意するほかない。

ちなみに、複数回受付けた場合は、レセプトに受付時間と理由(症状急変のため)を記載する。あと、それぞれの受付時刻とかもコメントに残したほうがいい。

同じ病院で、歯科と内科の処方箋を持ってきた場合

例外として、歯科の処方箋は別受付にしていいとされてい。

そもそも、歯科は医療機関コードも違うので別の病院みたいな扱いになります。

まとめ

一口に処方箋受付と言ってもいろんなルールが絡み合っていて、守るべきルールがたくさんあります。

ルールを把握して取り逃がさないように1枚1枚の処方箋を大切にしましょう。

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