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授乳中に使える薬剤の一覧表

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どうも新人薬剤師のヤクタマです。

授乳婦さんに苦手意識ないですか?

薬局で、よく聞かれる質問の一つ「授乳中ですが大丈夫ですか?」

む、新人薬剤師には「荷が重いぜー」なんて言ってられないから、ちゃんと答えられるようにしようぜ。

当然ながら僕の頭ではすべての医薬品の授乳婦への使用可否を記憶しておくことはできません。そのため、調べる方法をしって対処できるようにしておきます。

  • 薬剤師:先生に授乳中は伝えましたか?
  • 患者:伝えました
  • 薬剤師:だったら大丈夫👌

これだと薬剤師として仕事したことにならない。医薬分業の意味とは?二重監査とはっ?てなる。

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医薬品添付文書で調べる

とりあえず医薬品について調べるなら「医薬品添付文書」が基本でしょ。そこに「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の欄があるからこれをみれば、らくしょー。

ムコダイン
ムコダイン錠の医薬品添付文書より抜粋

とはならないのです・・・。

ムコダインは大丈夫だろうと思ってみてみると、なんと「投与しないことが望ましい」のです。

この記載は、ムコダインに限ったものではなく、ほとんどの医薬品はこういった記載になっています。

これこそが授乳婦が新人薬剤師に忌避される理由なのです。

じゃぁ、どうやって調べればいいのさ?

とういことでオススメのサイトがあります。

国立成育医療研究センターのサイトで調べる

これぞ神サイトです。

授乳中の投薬で困ったときは「国立成育医療研究センター」のサイトをみてみよう。

妊娠中の投薬は知らんよね。

調剤薬局は秒速で「お気に入り登録」をしよう。

表は「薬効順」と「50音順」と2種類あるので、どっちでも見やすいほう使うといい。この一覧表を印刷してファイリングしてすぐに見れるようにしている薬局は多い。

ぼくは印刷したものを使うよりはどちらかというとネットで検索する「派」です。

辞書を引けない「ゆとり系薬剤師」なんで。

さて、サイトで「50音順」でみてみます、順番に探すのいいですが、もっと簡単にお目当てのものを探す方法があります。

それが、

Ctrl + F

この魔法のショートカットコマンドで、目的のものを検索してしましましょう。

「Ctrl + F」を押すと検索窓がでるので医薬品名称で検索してみましょう。

「ムコダイン」っと・・・え、ないやん・・・・。

まさか、ここでもムコダインの安全確認が取れません。このままでは、ムコダインを安全にだすことができない。

次の手段をとります。

「大分県薬剤師会」の「母乳とくすりハンドブック」をチェックだ。

母乳とくすりハンドブックで調べる

「母乳とくすりハンドブック」大分県薬剤師会が制作しているものです。

薬剤師会の活動っていまいちわからないけど、ガンバってるところもあるんです。

インターネットに無料版が公開されているのでそれをチェックしてみましょう。

これよくできているのでダウンロードして小冊子にまとめるのもオススメです。

ネットで公開されているのは旧版(第一版)なので、最新版は、大分県薬剤師会のサイト上で「母乳とくすりハンドブック改定第3版」として公開されています。

最新版がほしい方はこちらからご購入ください。

税込みで1500円と激安だから、これほしいんだけど「一般の方には販売いたしておりません」って書いてあります。

おそらく一般ピーポーとしてではなく薬局として買わないといけない。

欲しいんだけど、あんまりやる気出してるところ見せたくないから薬局の名前だしたくないのよね。

「母乳とくすりハンドブック」に関しては「第一版」がネットで公開されているので、それを気に入ったら最新版を購入してみるといい。

第一版のネット版なら魔法のコマンド「Ctrl + F」で薬品名検索できるから書籍を購入するよりも使いやすいかも。

それでは「ムコダイン」を検索してみます。

ようやく、ムコダイン「○」の記載を見つけることができました。

そもそもムコダインのような小児によく使用される製剤において、母乳に移行して乳児が飲んでしまったらどうするとか、あんまり考えなくていい。

母乳で移行して摂取する量よりも直接摂取したほうがずっと多いに決まっています。

「第一版」でもかなりの情報量なので、それのアップグレード版が税込み1500円なら安い買い物なのは間違いない。

薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳

たけーなー。

分厚いドンキみたいな本だから、きっと何でもかんでも必要な情報は網羅されているのでしょう。

見よ、この分厚さ!

読もうと思うと果てしないから辞書として使うといいでしょう。妊婦さんに相談されたときに該当医薬品を検索して読む感じですね。

もし興味がある人は「妊娠と授乳 2版 | ActiBook」で数ページ立ち読みできるので購入前にチェックしてみるといい。

ボクが持っているのは第2版なので、情報が古いのですが、それでもそれなりに重宝します。

ボクはAmazonで第2版を1800円で購入しました。中古の価格は変更するのでこまめにチェックしてみるといいです。

最新版の第3版は8000円くらいするから、よく考えてから購入しましょう。

授乳対策最終奥義

使いこなせれば最強のサイトがあります。

正直、ぼくには難しい。

なぜならこのサイトは「英語」なんです。それさえ克服できれば使い勝手バツグンの最強サイトであること間違いなし。

まず、難題が薬品名の英語がわからない。商品名で検索してもでないので、成分名で検索します。その成分名の英語がわかんない。

で、ぼくの考えた成分名の英語表記の検索方法は、成分名で医薬品添付文書を検索します。

それで「成分名」が「商品名」になっている商品を開いて「欧文商標名」をコピペします。これが最善化はわからないけど、いい方法だと思う。

イブプロフェン

イブプロフェン錠100mg「タイヨー」の医薬品添付文書より

こうしてイブプロフェンの英語表記「IBUPROFEN」をゲットしたので検索してみます。

各薬剤ページの一番上に授乳婦への使用に適しているかどうか記載されています。

たとえばだけど「ibuprofen is a preferred choice as an analgesic or antiinflammatory agent in nursing mothers(授乳中の母親における鎮痛剤または抗炎症剤として好ましい選択である。)」こんな感じで書いてあったりする。

そのあとにエビデンスの情報がつらつらと書かれているので説得力をもたせたいなら読みすすめるといい。

また「代替薬」も書いてあるのもポイントです。

授乳中NGな薬剤だった場合は、代替薬を参考にしながら医師に提案することもできます。

授乳中に飲んでいいのか小児用製剤から考えよう

小児が直接の飲むような薬であれば、母親が飲んで、万が一母乳に移行しても大丈夫です。

感冒に使う薬は、成人と小児で共通したものがよく使用されます。そういうのは、比較的安全です。

カロナール・ムコダイン・ムコソルバン・ナウゼリン・クラリス など

あげたらきりないから、こんなもんで。

「授乳中なんだけど、大丈夫?」と母親に聞かれたときの説得にも使えます。

多くの場合、子供が風邪を引くと、お母さんも風邪を引きますよね。

二人そろって「ムコダイン・ムコソルバン・フロモックス」の処方箋を持ってきたとしましょう。

お母さんから「授乳中でも飲んで大丈夫ですか?」と聞かれたときの「回答」です。

お子さんにも同じ薬が出ています。万が一、母乳に移行したとしても、小さいお子さんが飲んでも問題ないおくすりなので大丈夫です。」こんな感じ。

で、個人的に注意したいのが「リン酸コデイン」です。

リン酸コデイン」は小児禁忌だからね。大人の咳に「リン酸コデイン」でることあるから、あれは注意や。

コデイン系は授乳中は避けるべき

飲んではいけない薬はいろいろあるけど、処方頻度が高くて授乳中に飲まないほうがいい薬は「コデイン系」。

具体的に言うと、

カフコデ・セキコデ・ニチコデ・フスコデ・ライトゲン・リン酸コデイン

まず、こいつらをしっかりと把握しておこう。

コデイン系は小児に禁忌ね。今どきこれらの薬を子供に処方したらヤブ医者やでー。

授乳中の婦人には,本剤投与中は授乳を避けさせること。[ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)で,母乳への移行により,乳児でモルヒネ中毒(傾眠,哺乳困難,呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお,CYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では,母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。]

小児等への投与
*12歳未満の小児には投与しないこと。[呼吸抑制の感受性が高い。海外において,12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。]

セキコデ配合シロップの医薬品添付文書より抜粋

ただの咳止めで乳幼児がモルヒネ中毒ってめっちゃ怖いでしょ。

薬を飲んでいるあいだ断乳しないといけないとき

どうしても、授乳中の服薬は避けたいという人はいます。

もしくは、上記で紹介した「リン酸コデイン」をどうしても飲まないといけないという人がいるかも知れません。

医者よりも授乳よりも服薬を優先しろと言われるかもしれません。

理由はどうあれ断乳せざるおえないときもあるはずです。さて、もし断乳したら服薬中止後どれくらいたてば授乳をスタートしていいのでしょうか?

母乳中からの薬剤の消失は、血液中からの消失と同様に考えます。

一般に服用した薬が血液中から消失するには、消失半減期(T1/2)の4~5倍の時間が必要とされています。

半減期はその薬の血中濃度が半分になるまでの時間のことです。わかりやすく段階的に書いていくと、

半減期の1倍:1/2(50%)
半減期の2倍:1/4(25%)
半減期の3倍:1/8(12.5%)
半減期の4倍:1/16(6.25%)
半減期の5倍:1/32(3.125%)

半減期の5倍の時間が経過していれば、血中濃度は3%くらいになってるよって話です。

この消失半減期というのは薬剤によって異なるので、例として「リン酸コデイン散」を服用したあとどれくらいの期間を授乳を避けるべきなのかを計算してみる。

リン酸コデイン散1%「マルイシ」:半減期は2.5~4時間
インタビューフォームより

半減期の幅がでかいなー。

「2.5~4時間」を単純に5倍して「12.5~20時間」なので、計算では「12.5~20時間」で授乳を再開できそうですが、幅があるから長い方でとっといたほうがいいでしょうね。

つまり「20時間」で!!

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