こんにちはヤクタマです。
新人薬剤師は医薬品の勉強に偏りがちだけど、それだけでは不十分。
医薬品の勉強と一緒に病気の勉強もしっかりしようね。
最近は、薬剤師むけの臨床の本がたくさんでてるからオススメ紹介します。
薬局の薬剤師が臨床を学ぶ理由
入社してしばらくすると、きっと会社から「かかりつけ」とれと言われます。
この「かかりつけ」をとるためには、お薬の説明だけでは不十分なんです。
だって、それってネットで調べればわかることでしょ。
薬剤師個人にかかりつけるほどのものではない。
スマホ全盛期の世の中では、医薬品情報なんて「OKグーグル」すればだいたいわかります。
だから、その病気と医薬品を組み合わせて日常生活で気をつけたほうがいいことをフォローしてあげると、スマホではできない価値を提供してあげられます。
患者さんから症状の聴き取りをしたら、すくなくとも1つはアドバイスできるようにしましょうね。
そうしないと患者さんは個人情報もらしただけだから損した気分になっちゃうからね。
医師なんか病態の説明する時間なんかほとんどないんだから、忙しいと薬だけ処方して終わりです。その足りない部分を薬局でフォローできたら、かかりつけになってくれるの間違いなしです。
ってことで、病態をしっかり学ぼう。
ヤクタマのおすすめ書籍8選
いくぜ、ヤクタマがオススメする臨床書籍。
薬剤師むけの臨床をまなぶいい本がたくさんあります。
①医師ともっと話せるようになるための 基本的臨床医学知識
まず最初に読んでおくとこのあとの勉強で理解が早くなるキソ的な本です。
タイトルがイマイチだけど、内容はバッチリだからボクのイチオシ書籍です。
タイトルや本の表紙のどこにも書いてないけど薬剤師用の本です。
タイトルに主語が抜けてるんだよね。
「(薬剤師が)医師ともっと話せるようになるための 基本的臨床医学知識」って感じですね。
薬剤師用の本にもかかわらず医薬品の薬効薬理の説明がほとんど登場しません。
そのかわりに医師の具体的な病気へのアプローチを詳しく説明してくれます。
こういう検査をして、こういう治療をするというのが、ケーススタディで患者をイメージしながら理解することができます。薬剤師には縁がない外科治療も紹介されているのも、おすすめポイント。
薬物治療については、作用機序の説明はないけど、まず第一選択でこれを試してみて、もし効かなかったら、これで、それでダメなら外科処置。
こんな感じで、かなり実践的な内容になっています。
薬局の薬剤師に「こんな詳しく必要?」と思えるような内容なんだけど、病気の治療方針をしっていればより突っ込んだ内容の話を患者さんとすることができます。見るべきバイタルサインも変わってくるでしょう。
タイトルに「医師ともっと話せるようになるための」ってあるけど、ボクは「患者さんともっと話せるための本」だと思います。
そこそこむずかしい内容だけど、わかりやすく説明してくれるから、最初の1冊はコレだね。
②処方箋の“なぜ”を病態から推論する 病態がわかると服薬指導が変わる!
お次は「臨床推論」ですな。
この本は薬効薬理を学ぶための本ではありません。あくまでも「病態」を学ぶための本です。
処方箋解析も入ってるんだけど、おまけみたいなもんですな。
一般的な書籍だと、
処方解析 → 薬効薬理
もしくは
病態 → 処方例
の順番で説明が進んでいくのですが、これは「処方箋 → 病態」という流れで病態を勉強していきます。
薬剤師の仕事を考えると「処方箋 → 病態」っていつもやってることだから実践的な内容と言えます。
普段の仕事に直結して学ぶことができます。
この書籍では、1枚の処方箋に12ページもつかって処方箋の裏側(病態)を解説していきます。
処方箋の裏側である病態をしっかりと理解していると、バックグラウンドがわかるのでより突っ込んだ服薬指導ができるようになります。
画像では「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」とサイズ比較しています。一回り小さいからコンパクトで持ち運びやすいのもいいですね。
ちなみに、最初の「医師ともっと話せるようになるための 基本的臨床医学知識」はバカデカイよ。
③カンファレンスで学ぶ 薬学管理に生かす 臨床推論
はい、また「臨床推論」の本です。結局、薬剤師が臨床を勉強するといったら「臨床推論」なんですよ。
「カンファレンスで学ぶ 薬学管理に生かす 臨床推論」は日経DIが2019年9月に発売した新書です。
でかいし、分厚いから、かなりボリュームあります。サイズ感は「実践薬学」を想像してみてくださいな。
買うなら覚悟して買ってくださいね。
特徴的なのが、症例カンファレンスから患者さんへのアプローチを学んでいきます。
薬局の薬剤師は症例カンファレンスになかなか参加できないから、書籍で疑似体験するわけです。
目次をみてもらうと、どういう症例にアプローチしていくのかわかります。
たとえば、
- 症例 2 「この吐き気と軟便は薬の副作用ではないか」と相談されたら
- 症例 16 めまいを訴える患者が処方箋を持って来局したら
- 症例 20 「血圧が高くて心配」と電話で相談されたら
ありそうなシチュエーションですね。
普段、なーなーで、なんとかしてるけど、こういうの実際どうするのが正解かカンファレンス形式で突き詰めていきます。
いろんな質問を想定してカンファレンスをすることで、さまざまな質問に自信を持って答えられるようになります。
④薬剤師のための臨床推論
ちょっと古いから紹介するか悩んだんだけど良書なのでいれときます。古いからメルカリやAmazonの中古で買うと安く手に入れることができる。
編纂者は「川口 崇 先生」と「岸田 直樹先生」です。
岸田先生はさっき紹介した「カンファレンスで学ぶ 薬学管理に生かす 臨床推論」の著書でもあります。
とにかく臨床推論のエキスパート。
上記の本が高すぎて買えないという薬剤師は、これを安く手に入れるのもいいかもしれませんね。
臨床推論というのは、
患者が訴える主訴や症状、検査値は、その患者の体内で何が起こっているかを教えてくれる有力な手がかりです。新たな疾患の発症、基礎疾患の悪化、薬による副作用など、患者が抱える問題は数知れません。その原因を突き止めるための考え方、思考プロセスが臨床推論です。
この臨床推論で必要になるのが「病態」の知識なんで、この本で合わせて学ぶことができます。
⑤薬トレ 薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック
「薬トレ」はトレーニングブックです。いろんな本で培ってきた知識をクイズ形式で復習していきましょう。
タイトルに「臨床センスを磨く」ってありますよね。
臨床センスを磨いて患者さんにキレッキレの服薬指導をしてやろうではないですか。
ちなみに、クイズめっちゃむずいんだけど、これって薬剤師なら常識なんかな?半分以上わかんないです。
でも、安心して下さい。
次ページにしっかりとした解説が書いてあるから、そこで知識を身につければいいんです。
クイズ形式でしっかりと臨床センスをみがける本になっています。
こちらもデカイし、ページ数もめっちゃあるからボリューム満点。
覚悟を決めて購入しましょう。
紹介されている症例数は、なっ、なんと260症例もあります。
ひたすらケーススタディするから患者所見やバイタル値がしっかりと記載されています。他の書籍で学んだ知識を試して見るにもいい書籍ですね。
⑥128症例で身につける 臨床薬学ハンドブック
なんと128もの症処例から医師が処方をだすまでの思考プロセスを学びます。
薬物治療の考え方を病態から学んで、そこから服薬指導のポイントを教えてくれます。
「病態 + 薬物治療」を学べるから、これこそが服薬指導で薬剤師が説明すべきポイントです。
好評のため第3版が発売されます。ボクの古いから新しいのめっちゃ欲しい。
発売日2019/10/23
新書だから、新しい本が欲しい人にはオススメですね。
⑦ビジアブで読み解く! 薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50
そうなんです、論文も大事なんです。
論文って難しそうという印象で敬遠されがちだけど、この本だったら大丈夫。
だって、日本語だしイラストたっぷりです。
タイトルにある「ビジアブ」というのはビジュアル・アブストラクトの略です。
わかりずらい論文の要旨をイラストで視覚的に表現して、内容をわかりやすく解説してくれる。
このビジアブが50本ある論文のすべて使われています。パラパラとイラストをみるだけでも論文の要旨を把握することができちゃう。
テーマは▼こんな感じ。
- 貧血治療薬の鉄剤は、隔日投与でもよい?
- 水分摂取量の増加で、膀胱炎の再発は予防できるか?
- 子どもの咳にハチミツは有効か?
- サイアザイド系利尿薬の2型糖尿病のリスクは?
- 点耳薬の耳浴時間、短縮した場合の有効性は?
- 糖尿病でも、果物ならいくら食べても大丈夫?
- 熱性けいれんの再発予防に解熱薬は有効か?
- 代替療法を選択した場合の、がんの生存率は?
- こむら返りはストレッチで予防できるか?
- 二日酔いになりにくいお酒の飲み方は?
上記は10個しかないけど、実際は50個ものテーマをあつかっています。
臨床論文を患者に説明するレベルにまで噛み砕いてわかりやすく解説してくれます。
最終手段として、患者にビジアブ見せてもいいね。
論文に書いてあるって説明したらめっちゃ説得力あるっしょ。
⑧アルゴリズムで考える薬剤師の臨床判断 症候の鑑別からトリアージまで
理詰めで攻める薬剤師にオススメなのが「アルゴリズムで考える臨床判断」です。
症状を鑑別して、受信勧告するかどうかをトリアージします。
臨床判断力を鍛えるための本ですね。
どっちかっていうとOTC薬剤師が読むべき書籍です。
調剤薬局でも処方箋もってきた人に専門医を受診勧告することあるけど、処方医に配慮しないといけないからかなり慎重にやらないとダメ。
この本では所見から、疾患や病状を推測した上で「緊急対応」「受診勧奨」「OTC薬の推奨」「生活指導」などから、妥当な対応方法を選択(トリアージ)の手助けをしてくれます。
面白い視点からのアプローチだから1冊くらいこういうのを読んでおいてもいいかもね。
これとにた感じで上記の「臨床推論」の著書である「岸田先生」も似たような本出してるから、こっちもオススメ。
今回の書籍紹介とカテゴリーが違うから大々的には紹介しないけど、控えめに言ってめっちゃいい。
臨床力を鍛える無料サイト
本以外にも臨床力を鍛えられるオススメのサイトも紹介しときます。
それが「m3.com」内にある臨床ダイジェストです。
「m3.com」に無料の会員登録すると閲覧できるようになります。
医師向けの臨床コラムが大量に閲覧できるから暇なときに読むだけでレベルアップできます。
いくつかの特集の直近のタイトル(2019/10/29)を紹介します。
- 大量の併用薬に輸血、副作用…、高カリウム血症を招く要因【研修最前線】
- 血清カリウム濃度8mmol/L超!肝癌患者に起きた異変【研修最前線】
- 肛門専門医も手を焼く疾患 【実名臨床道場】
- 直腸ポリープの仕業と思いきや肛門癌 【実名臨床道場】
- 双極性障害患者の維持療法下におけるQOLを考える
- 自信をもてる制吐薬・鎮痙薬の使い方(後編)
- 外来時間、対PC業務は5割超える?
- レーシック、ブーム再来はあるか
- 直腸がん化学療法後の手術待機期間は転帰に影響及ぼさず
- 米国人の食生活、17年間で緩やかに改善
全部、無料で読めちゃいます。
し・か・も、
いまだけ3000円分のAmazonギフトと交換できるポイントがもらえる。
無料登録するだけでもらえるから、Amazonギフトと交換すれば3000円までの参考書を実質無料でゲットできる。
公式m3.com
無料なので広告はでるけど、コンテンツの質がびっくりするくらい高い。スキマ時間を利用してレベルアップできるから忙しい薬剤師には必須ですね。
まとめ
たくさん薬剤師が臨床を鍛えるための本がでているんです。どれも最近発売されたものです。
つまり、いま薬剤師に求められているのが、この臨床判断なんでしょうね。
医薬品の説明だけなら「OKグーグル」で十分だから、そうじゃなくって患者さんの病態をききながら臨床判断できる薬剤師が求められてるんです。
これがよく言われている「モノ」から「ヒト」へってことなんでしょうね。
もし転職計画があるなら当サイト経由してもらえると助かります。
ヤクタマが転職するときに毎度お世話になっているのが「ファルマスタッフ」ってサイトです。
転職サイトとしては忖度なしにヤクタマぶっちぎりでオススメです。
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