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錠剤の全自動分包機を導入してみての感想

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こんにちはヤクタマです。

薬局に全自動分包機がやってきたので使用感のレポートします。ぶっちゃけ期待していたほどではなく、うちの規模からするとちょいとオーバースペック感があります。

うちはメインが内科の1日200枚規模の薬局です。

そこそこ一包化があるけど、施設の処方箋を抱えていないから、この規模の薬局だと全自動分包機はすこしオーバースペックになってくる。

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全自動分包機を導入してみての感想

期待していたほどパフォーマンスがあがらず、ちょっとがっかりです。

全自動分包機はウン百万の超高級商品なんだけど「薬剤師を一人雇用したと思えば安いもの」であるという理論で購入しますよね?

でも、よく考えてみて、全自動分包機が入ったからといって薬剤師を一人減らせますか?そりゃ無理でしょう。

1日1~2枚の一包化がくるとして、これの調剤がほぼ「ゼロ」になったとしても薬剤師を減らすことはできません。

業務はラクにはなるけど、薬剤師を減らすにまでにはいたらない。

さらに、購入する前に検討しておいてほしいがっかりポイントを紹介します。

全自動分包機の基本の”キ”

全自動分包機を使ったことない人もいると思うので採用まえにこれだけは覚えておい欲しいデメリットをいくつか書いてくね。

デメリット①:カセットは完全オーダーメイド制

使ったことない人は知らないだろうけど錠剤の自動分包機って1錠剤につき1カセットの完全オーダーメイド制なんです。

1種類使わなくなったので、カセットを作り直したいと思ったときは、既存カセットを破棄して新しいカセットをオーダーする必要があります。

簡単に調整でかるものではない!!

価格はすこしぼかすけど1カセットにつき1~2万円かかります。気楽に交換できないわけです。

錠剤の形状変更とかされると無駄にコストかかる。たとえば、

▼錠剤の形状変更は突然やってくる

これなんか完全にアウトです。グラクティブが変更になったら併売品のジャヌビアも変更になるよね。

両方採用していたらダブルパンチでカセット使えなくなり2~4万円ほどの損失が出ます。

最近だと「レクサプロ錠」や「ビオフェルミン錠」の形が変わっています。カセットで採用してなかったから被害はなかったけど、いつ起きるかわからないリスクに怯えなくてはならない。

デメリット②:ジェネリックの採用品変更が難しくなる

カセットを気軽に代えられないからジェネリックの採用変更が難しくなります。

ジェネリックは流通がとまったり、販売中止になったりで採用変更するリスクがあります。

テバとかテバとかテバとかね。

なるべく流通がしっかりしているメーカーを採用して、販売中止にならないことを祈ろう。

デメリット③:バラ錠が販売されていない商品がたくさんある

カセットを使う最大のメリットは錠剤をプチプチしなく済むということですが、プチプチせずにいられるのはバラ錠が存在するおかげです。

▼バラ包装があるか調べる方法を紹介しています。

包装単位
医薬品の包装単位を調べるのに便利なサイト医薬品の包装単位を簡単に調べる方法を紹介...

よく出る医薬品であっても意外とバラ錠がない。

たとえば「フェブリク10」「ゼチーア10」「レニベース2.5」とかバラ錠ないですね。

カセットを採用してもいいんだけど自分でプチプチするから全自動の恩恵は半減です。ヒマな時間を利用してパートに「トリダス」でプチプチやってもらうといいですね。

▼錠剤をプチプチ除包するコツも紹介しています。

錠剤の持ち方
一包化の調剤を効率よく作成する方法一包化調剤のコツやテクニックを紹介...

デメリット④:機械の設定がダルい

錠剤を自動で分包してくれるけど、その指示を出すための操作が必要です。

▼イメージとしてはこんな感じです。

タケプロン 1
ワーファリン 2
ムコスタ 1 1 1
手巻き

指示を間違ったら全部まちがってでてくるから1個ずつ破って作り直しね。

でさぁ、1種類の分1くらいならセットせずに手巻きしたほうがぶっちゃけ早いんだよね。薬品名を検索して入力するのとかけっこうダルい。

で、このセットをラクにするために絶対やっといたほうがいいのがレセコンとの連動です。レセコンから医薬品のデータや患者の氏名を連動させて自動入力してしまいます。

レセコンで氏名と薬品名を入力してもらってるんだからそのデータを使わないのはもったいない。

ただし連動するのに追加料金かかります。10万円くらい。

デメリット⑤:カセットの採用条件に合致する薬品が意外とない

事前に、採用医薬品を決めないとね。

採用条件は、使用している患者さんが複数名いることです。

ということで、どれだけ一包化があって、どの薬品が多く使われているか集計する必要があります。

で、集計してみて気づくことが品目があちこち散って絞れないということです。メンタルの一包化とか重たいのが複数名いるけど品目が散らばりすぎてカセットはほぼ役に立たない。

メンタルというえばエビリファイ・リスパダール・セロクエルですが、どれだけ規格あると思ってんの?

意外と重ならないんだなこれが。1日セロクエル100mgを6錠つかっているから自動化したいといっても使っている患者さんが1人しかいないなら採用することはできない。だって200mgに上がった時点でカセットと、その中身ごとパーですからね。

鉄板の薬でアムロジンってあるよね?

アムロジンと言ったら降圧剤で鉄板中の鉄板だけどこれなら採用してもいいでしょっ!!と思うよね?

実際に、調べてみると意外と一包化でアムロジンをピンポイントで使ってる人って少なかったりする。というのも規格が多い、併売品がある、ODがある、それのジェネリックがあるからバラけるんです。

アムロジン関連薬▼

アムロジン2.5 アムロジン5 アムロジン10
アムロジンOD2.5 アムロジンOD5 アムロジンOD10
ノルバスク2.5 ノルバスク5 ノルバスク10
ノルバスクOD2.5 ノルバスクOD5 ノルバスクOD10
アムロジピン2.5 アムロジピン5 アムロジピン10
アムロジピンOD2.5 アムロジピンOD5 アムロジピンOD10

ざっと18種類ある。

種類が多すぎて分かれるんだよね。アムロジピンを使っている一包化患者さんを20人抱えてたとしても、アムロジピン関連は18種類もあるから、均等にバラけたら採用することができません。

薬の種類多すぎ問題ですね。

導入してもカセットでつかえるのはごく一部で、結局は、ほとんどは手巻きを併用することになります。

デメリット⑥:在庫が多くなる

バラ錠を追加した分の在庫が増えますよね。資金繰りが厳しい薬局は在庫問題だけでも手が出ません。

イグザレルト15の薬価は1錠524.30円です。

バラ500錠を購入したら在庫はいっきに26万円はね上がる。さらに500錠カセットにいれて補充分500錠をストックしたら追加で26万円です。

さらにイグザレルト10の薬価は1錠368.50円です。

同様にバラ500錠を購入したら18.4万円です。さらに500錠カセットにいれて補充分500錠をストックしたら追加で18.4万円です。

イグザレルトだけでもMAX90万円ほどのストックになります。やばいでしょ。

たくさん出るからといって気軽に採用できない問題です。

メリット①:ヨクイニン錠の分包が超ラク

ヨクイニン錠の分包がめちゃくちゃラクです。

ヨクイニン錠といえば1日18錠です。しかも日数ながい。

もしかりにこれを分包するとした大変です。なんと全自動分包機はこれをワンタッチでやってくれるんですよ。

ラクすぎて感動しました。

デメリットを解消した画期的な新商品が湯山から登場

上記で散々デメリットを説明しましたね。

最大のデメリットは「カセット」がオーダーメイド制で容易に変更できずに、一包化できる品目が固定されてしまっているということです。

それを解消したユニバーサルカセットという新商品を湯山さんが作ってくれました。

どんな錠剤でもカプセルでも使えるカセットで、錠剤をジャラジャラ流し込むとあとは自動で分包してくれます。

種類ごとのカセットの調整なんて必要ありません。もう除包してジャラジャラ流し込むだけです。これはすげーと思うよ。

ただうちのやつにはついてないから想像上のものでしかないけどね。よくよく考えたら除包は手動でやるんだよね。分包間違えが減るだけで、手間はそこそこかかるのかも。

日数が多かったり、分3とかで包数が多いときは区切らずにやってくれるなら助かるね。

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