こんにちは、レジ打ちまでこなす万能薬剤師のヤクタマです。
本記事では、薬剤師が意外とできていないレジ打ちの基礎的なマナーについて学びます。
薬剤師のなかには、医療従事者というプライドが高すぎてレジ打ちに消極的な人もいます。ただ会計が終わるまでが服薬指導の一環だと、ボクは思うわけですよ。
大手の薬局チェーンは、レジマナー研修をしっかりやってくれるけど、中小薬局だとそこまで手が回らない。
見様見真似で各々自由にレジ打ちしています。
ということで、ボクが大手チェーン薬局で学んだレジマナーをこっそりと紹介しちゃいます。
調剤薬局は「医療業」ですが「小売業」的な側面もあります。患者さん的には小売業なので、そのあたりの認識の違いを理解しておいてほしい。
レジ応対マニュアル
僕流のレジ応対マニュアルを、薬剤師が大好きなロールプレイ形式で紹介していきます。
- 本日のお会計は1020円です。
- 10050円お預かりします。
*1020円(ちょうど)いただきます。 - お先に、お札5、6、7、8、9000円お返しします。
- お後、30円お返しと、領収証です。
- お大事にどうぞ
一連の流れはこんな感じですね。
あとは誤用の多いポイントをチェックしていきます。
誤用ポイント
ちょうどお預かりします
例「1000円ちょうどお預かりします。」
ものをもらって返す必要があるときは「お預かり」で、返す必要がないときは「いただきます」をつかいます。つまり、お釣りがあるときは「お預かり」で、お釣りがないときは「いただきます」です。
領収証をお返しします
例「領収証をお返しします。」
あずかったら返すけど、領収証は薬局が発行するものなので「返す」ものではありません。
「領収証です」もしくは「領収証でございます」でいきましょう。
からお預かりします。
例「1000円からお預かりします。」
1000円札は どこ からきて どこ へいくのでしょうか?これは永遠の謎です。
そもそも1000円からくるとは、どういうことでしょうか?うーん、わからない。
もっとパワーアップした「1000円の方からお預かりします」という複合ワードもあります。1000円の方から何がやってくるのでしょうか?
になります
例「お会計は1000円になります。」
いやっ、ならないです!
動詞の「なる」とはAからBに変化することを表します。
「1000円」に変身するわけではないので、ならないです!
神速のレジ打ちテクニック
マナーだけではありません。
基本的なレジの打ちテクニックも紹介しときます。
万券ボタンはマジで便利
「万券ボタン」はマジで有能だから使ってほしいです。万券 もしくは 万円 の場合もあります。
もったいないことに、うちのスタッフみんな使っていません。きっと存在を知らないんだと思うよ。
使い方は1万円以上の金額を入力する時「万券」ボタンを1度押してから1万円未満の金額を入力するだけ。
たとえば「10210円」の場合は「万円ボタン」をおしてから210と入力します。
10210と入力するのと手間としてはあまりかわらないのですが、万券ボタンを使うことで打ち間違いが格段に少なくなります。
千のくらいまでなら喋りながら数字を入力するのなんてわけないけど、万の位になると0が重なったりすると喋りながら金額を入力するのが難しくなります。
その思考回路を簡略化するために「万券ボタン」を押すことで一桁分だけ思考を簡略化できるのです。
ちなみに2万10円の場合の入力は、
2→「万券」→10です。1万円の場合は冒頭の1は省略できます。
ホントに簡単なので使ってない人は是非使ってみてください。
小銭のクイックドロー術
小銭を一枚ずつ摘んで取る人はレジ素人です。
プロは小銭をかき出すようにとります。
小銭のトレーは湾曲していてるので小銭をスベらせなが「シャッ、シャッ、シャッ、シャッ」っと連続してスライドさせることでプロっぽくとれます。
これが俗に言う小銭クイックドローです。
画像でいうと下方向に小銭をかき出す。なれてくると右手でドローしながら左手で小銭をそろえることができます。
小銭も金種ごとにキレイにそろえて返すのがスマートですね。
ついでに、お札のクイックドロー術も紹介しておきましょうか。
お札をとるときはストッパーはそのまま下げたままでお札を上からつまむようにとります。
ストッパーをあげるのはお札をしまうときだけです。
これでワンステップ省略です。
お札をしまうときは必ず向きをそろえます。しまうときにそろえておけば患者さんにお札を返すときに向きがそろっていてキレイにお渡しできます。
お会計をちょうど頂戴した時のテクニック
これはみんな当たり前にやってると思う。
請求金額の入力 → 商品ボタン(保険) → 小計 → お預かり金額の入力 → 現計
お釣りを計算するために、いくつかのステップを踏むわけですが、ちょうどの金額をうけとったときは、お預かり金額と請求金額が同じなので、お預かり金額の入力を省略することができます。
請求金額の入力 → 商品ボタン(保険) → 現計
なんと2ステップも省略できます。
一日に何度も行う作業なのでちょっとした省略だけでも効果はバツグンです。
レジ袋のお会計について
調剤薬局のレジ袋もいよいよ有料化です。
レジ袋有料化については別記事でまとめているので、よかったらチェックしてください。
薬局のレジシステムってちょっと特殊だからレジ袋のレジ打ちはマジでめんどくさいです。
なにが面倒かというと、保険調剤の領収証がレジスターからではなくレセコンから発行されます。そのうえでレジスターに「保険調剤+レジ袋代」を入力してレシートを発行すると領収証が重複してしまいます。
レジ袋代だけのレシートを発行するためには保険調剤とは別でレジ打ちしなければならない。そうするとレジスターでお釣りを計算することができなくなり、電卓でお釣りを計算するハメになります。
めちゃくちゃめんどうだしミスの原因になります。
解決策として、レジ袋代の簡易的な領収証を別で準備して渡せるようにしておきました。
たかがレジ袋代のためにここまでしないといけないのかなー。
クレジット・キャッシュレス決済について
レジスターには「信用」ってボタンがあるから、これがクレジットボタンです。
薬局にもキャッシュレス決済の波がやってきてます。
うちではリクルートの「エアペイ」って端末を利用して「スイカ・iD・クレジット」などの決済方法が利用できるようになっています。
一つの端末でいろいろできるからマジで便利です。
レジと連動させる必要もないし、専用の回線も必要ないから、かんたんに設置できます。
詳しくは別の記事でまとめています。
挨拶マニュアル
レジだけだと寂しいので、ボクが考えた挨拶マニュアルを紹介する。
- 午前10時まで「お早うございます」
- 午前10時以降は「こんにちは」
- 「いらっしゃいませ」はNGワード
- 「ありがとうございました」はNGワード
- 「ありがとうございました」のかわりに「お大事にどうぞ」と見送る
挨拶の時間を統一しておかないと事務Aさんは「こんにちは」で、薬剤師Bさんは「おはようございます」と言ってしまうと、患者がどちらで返していいのか混乱してしまいます。
調剤薬局は、好き好んでくるところではありません。病気でしかたなく薬をもらいにくるところだから「いらっしゃいませ」は嫌味ですね。
同様の理由で「ありがとうございました(またお越しくださいませ)」はまた病気になって来てくださいと言っているようなものなので、好ましくありません。ただOTCを買ってくれたときには「(買ってくれてありがとうございます)」はありだと思います。
飲食店や小売店では、1人が「いらっしゃいませ~」と言うと、まわりも「いらっしゃいませ~」という連呼システムがあるけど、これは、活気づけや万引き予防のために行っているので、薬局を活気づける必要はないから挨拶連呼は基本的にしない。
もちろん目があった時はあいさつしないと失礼になるからするが、作業しながら顔も見ないで声だけで挨拶するのはもと失礼だからこういう時は無理に挨拶しないで作業に没頭する。
調剤室の敬語について
ためしにスタッフ間の敬語をやめてみませんか?
敬語を使うと喋らなければいけない文字数が多くなり時間を要します。表現も遠回りになり、言いたいことが伝わりにくくなります。
ぼくの好きなマンガで上司と部下の以下のようなやり取りがあります。
「私は極力無駄を省きたい人間だ。敬語は時間と体力の浪費だ。コンビという事はそれだけ喋る時間も多い。例えば、『おねがいします』と『たのむ』では私の会話スピードだとそれぞれ0.9秒と0.3秒の差だな。一日に10回君に頼み事をすれば年間で2000秒程度の短縮が実現できる。」
漫画:東京喰種(9巻)より
これは目からウロコの発想でした。すごい効果が期待できそうではないですか?
早速、上司にタメ口つかってみたところ、めちゃくちゃ怒られました。
どうやら効率化に囚われすぎて周りが見えなくなっていたようです。この効率化は取り扱い注意の劇薬のようです。もし実践するなら十分に周りに配慮して信頼関係を築いてから使いましょう。
ぼくには向いていなかったようなので、いまのところ常に低姿勢の超敬語です。年下事務ちゃんにも敬語です。
まとめ
レジもなかなか奥深いでしょ?
もっと薬局の接遇について学びたいなら書籍で学ぶことをおすすめします。
ぼくは読んだことないから内容は全然わかんないけどね。
もし転職計画があるなら当サイト経由してもらえると助かります。
ヤクタマが転職するときに毎度お世話になっているのが「ファルマスタッフ」ってサイトです。
転職サイトとしては忖度なしにヤクタマぶっちぎりでオススメです。
「ファルマスタッフ」は1つ1つの就業先をキャリアコンサルタントが必ず直接訪問して職場の状況ダイレクトにリサーチ!
そのため、求人情報が他社よりも濃い!職場の雰囲気や経営状況、残業などの忙しさなどのリアルを踏まえて転職先を提案してくれます。
今すぐ転職を考えている方もちょっと考え中の方も利用できます。すべて無料なので登録するなら当サイトから申し込んでいただければ幸いです。
公式ファルマスタッフ