どうも新人薬剤師のヤクタマです。
ボクの薬剤師人生は、小児科の門前薬局から始まりました。小児科こそ「ぼくの原点」なんです。
薬剤師になりたてのころは、めっちゃ気合いれて書籍に投資まくって人生マックスに勉強しました。
ということで、ボクの経験から小児科門前の新人薬剤師にオススメの書籍を順番に紹介していきます。
今回は小児科編だけど、総合的な実力を磨く記事もあるからよかったらチェックして下さい。
子どもの処方箋が来たときの薬局業務が120%わかる本
小児科の門前の薬局薬剤師に必要な知識がぜーんぶ詰まってる本です。
これ、めちゃめちゃいいよ!
- 小児の処方確認と調剤はどうすればいい?
- 保護者と子どもには何を伝えて、何を尋ねる?
- 患児のフォローアップはどうすればいい?
- トレーシングレポートでは何を伝えればいい?
- 小児の調剤報酬をどう算定する?
薬物療法や服薬指導だけでなく、小児特有の疾患も実際の処方例を通して学ぶことができます。
これ1冊で「小児固有の疾病、薬物療法、患児・保護者からの聞き取り、服薬指導、調剤、フォローアップ」などが学べます。
さらに、服薬指導で必要な子どもへの服薬補助方法、保護者への服薬指導、調剤技術、保険請求、予防接種など、その他業務までフォローしてくれているのもスゴイ。
小児科門前の薬剤師に必要なあらゆるノウハウが凝縮されたすげぇ書籍。
極める! 小児の服薬指導
日経BPシリーズの小児特化書籍です。
定価5800円(税抜き)とちょい高額ですが、すべてを網羅するボリュームがここにあります。
1章 小児服薬指導の基礎知識
2章 年齢に合った飲ませ方
3章 剤形ごとの使い方指導
4章 Q&Aでみる 薬剤ごとの服薬指導
5章 薬局で経験する小児の副作用
6章 妊婦・授乳婦の相談対応
7章 お役立ち 患者指導箋
小児の服薬指導を薬剤師の小児スペシャリストである「小児薬物療法認定薬剤師」がアドバイスしてくれます。
薬剤師の小児スペシャリストによる充実した服薬指導テクニックを垣間みることができる。
日経BPシリーズの特徴は、なんといっても平易な文で記載されていることと、イラストが豊富でとにかく読みやすい。
この定価5800円(税抜き)を許容できるのであればオススメの一冊ですね。
さらに、こちらの書籍には保護者をサポートするための「患者指導箋」が収録されています。薬局で丁寧に説明しても、保護者はどうしても服薬指導の内容を忘れてしまうことがあります。この指導箋は帰宅後でも服薬指導の内容を確認できる補助ツールとして大活躍。
乳幼児・小児服薬介助ハンドブック 第2版
薬を飲んでくれない子供をどうにかしたいという親の悲痛な叫びを解決する一助となる本です。
小児科領域でよく使用される156成分について、ジュースなどの飲食物で味やにおいを抑える工夫や避けたほうがよいことなど、子ども服薬を助ける引き出すためのヒントなどについてまとめられた情報集です。
これはすごいまるでデータベースです。
成分ごとに、これで飲むと飲みやすい、これで飲むと苦味がますなど懇切丁寧にかかれているため、小児科門前の薬局では1冊おいておくと安心。
先発品だけでなくジェネリック医薬品の味やにおいもまとめられています。
よくあるケースを薬理で考える 小児の服薬指導 Next Step
小児科の処方に一通りなれてきて、もうすこしステップアップしたいという薬剤師のためのプラスアルファの本です。
タイトルにある「薬理で考える」ってのがポイントです。小児科処方って似たりよったりな処方が多いから、いまさら「薬理?」なんてと思うかもしれませんが、これが奥深いんだわ。
この本では保護者の「不安」と薬剤師の「疑問」をよくあるシチュエーションに沿って、薬理を駆使してわかりやすく解説してくれています。
服薬指導で保護者に寄り添う視点と、薬理で考える視点の2つが身につきます。
薬理に特化すると薬剤師よがりな難しい服薬指導になってしまいがちですが、この本では患者(保護者)の視点を重視しているのでわかりやすく解説してくれるから、現場で、保護者にわかりやすく説明できる生きた知識が身につきます。
小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK
これは医療従事者向けの書籍ではなく、現役小児科医師が書いた一般向けの本です。
一般向けなので、基本的なところから、とてもわかりやすく書いてあります。専門書ではないので1500円と手にとりやすい価格なのもいいです。
もちろん薬剤師向けの書籍でもないので薬のことは詳しく書いてない、そのかわりに小児科でよく見られる疾患について網羅されています。
病院にかかるタイミングや病気になったときに家でできること(ホームケア)について詳しく書いてあるので、服薬指導で薬の説明プラスαを提案するときに役立ちます。
小児科門前薬局で大切になってくるのは薬の知識よりも、病気の知識です。
風邪薬は、その病気のバックグラウンドを理解していないと、だれが説明したって同じになる。
「咳止め、痰切り、鼻水どめ」ありきたりな説明書に書いてある内容よりも、プラスアルファで病気の説明とホームケアを付け加えられるかどうかが、できる薬剤師の腕の見せどころ。
小児科の「薬」の勉強ってなんかあるの?
小児科の薬といえば2~3種類混ざってるいつものあれでしょ。あれ。いつもの。
いつもの薬は説明できてあたりまえ。それよりも、
- 麻疹ってどういう症状?
- 風疹ってどういう症状?
- 突発性発疹ってどういう症状?
- りんご病ってどういう症状?
新人薬剤師は、まず基本的な疾病の特徴とホームケアを説明できるようになるのが大切。
上記の「?」があやふやだったらきっと読む価値ありです。
たまたまツイッターでフォローしている尊敬する小児科の先生がオススメしてたから購入しました。
「現役小児科医がおすすめする現役小児科医の本」というパワーワードがぼくの購入理由です。
やっぱり、信頼する人が紹介する本は購入して間違いない。
この「病気とホームケアBOOK」がよかったら関連本も読んでみて。
もし病気だけでなく子育てアドバイスも薬局でしたいと思ったら、シリーズの「新装版 小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK」は必読です。
実際に、子育てしたことないなら、子育ての体験談を読むしかないよね。
小児科ファーストタッチ
小児科ファーストタッチは、研修医や総合診療医にむけた小児科学の入門書です。
薬剤師むけの書籍だとどうしても「飲ませ方」「服薬指導」「副作用」「剤形ごとの使い方」などがメインになってしまいます。
小児科の服薬指導になれてきたら、こんどは疾病について理解を深めるために医師サイドの本にチャレンジしてみるといい。
薬剤師がガチ専門書を読むと挫折するから、程よいレベルなのがこの「小児科ファーストタッチ」です。
小児科の専門医のための書籍ではなく、小児もみることがある総合診療医が「まずは何をすべきか。どのタイミングで小児科医に相談するか。」を学ぶための書籍です。
ファーストタッチとは、どのような病気を考え、どのような検査と処置を計画し、どうなれば帰宅、どうなれば入院になるかということを頭にしっかり思い浮かべながら、問診と診察と検査をすることです。鑑別疾患を広く考え、見落としなく診療を進めていくことが大切です。
薬剤師がここまで学ぶ必要ないから参考ていどにね。
プロフェッショナルに聞いた!乳幼児の発熱
レシピプラスシリーズの「乳幼児の発熱」をテーマにした回のものです。
レシピプラスは年に4回定期的に発行される季刊本です。1冊1テーマなので、そのテーマについてとことん掘り下げていきます。
今回のオススメは「乳幼児の発熱」です。
- 1.乳幼児の発熱─どうして発熱するの?
- 2.帰宅させてはいけない発熱児
- 3.発熱パターンをみる,きく,よむ
- 4.年齢区分別にみる発熱を主訴とする重要な疾患
- 5.アセトアミノフェンの「かたち」と「はたらき」
- 6.発熱に解熱薬・抗菌薬を処方するとき・しないとき
小児の発熱について140ページも書いてあるから、気になることはだいたい網羅されてる。
レシピプラスのコンセプトは新人薬剤師には「やさしく」、先輩薬剤師には「くわしく・強くなる」なので、わかりやすいだけでなく「詳しく」なれちゃいます。
イラストや写真が多くフルカラーでとにかく読みやすい、専門書アレルギーでも、これなら大丈夫。
最大のオススメのポイントは、その値段の安さです。専門書ってバカ高いけど、このレシピプラスは超リーズナブルです。
実践レベルでつかえる専門書に近いものが1200円(税抜き)は超安い。
薬剤師用の書籍は平均4000円くらいします。
レシピプラスは年に4冊でるので、1年定期購読しても年間4800円(税抜き)。
ぼくは全て購入しています。
そう、全てです。
小児科にお役立ちの書籍にはレシピプラスの吸入もオススメです。
気管支喘息・COPDの 吸入剤
小児の本ではないけど、小児科なら吸入剤はマスターしておくべきです。
吸入剤の全てのデバイスがそれぞれ見開きフルカラーで詳細に解説されています。「エアロチャンバー」や「スペーサー」についても書いてあります。
もちろん定価1200円と超リーズナブル。
小児科の指導で吸入は欠かせません。吸い方だけでなく構造から理解しましょう。
とりあえず「レシピプラス」は全部買え。
小児の薬の選び方・使い方 (小児科専門医の手の内を公開!)
医師向けの書籍ですが、これが薬剤師にピッタリなんです。
小児科の診療で頻繁に遭遇する23症状・48疾患の診療アプローチが、それぞれフローチャートでわかりやすくまとめられています。
医師の具体的な処方例もたくさんあるから、小児科専門医がどのように診察して、何を基準にして薬を決めるのかわかる。
「病気」と「処方薬」をバランスよく学べるオススメの書籍です。
小児科医宮本先生、ちょっと教えてください!〜教科書には載っていない、小児外来のコツ・保護者への伝え方
薬剤師むけじゃないんだけど、面白そうだから購入しました。
結論「クソつまんなかったわ」
薬剤師向けじゃないから興味がわかなかったんだと思うよ。残念ながら記憶にもほとんど残ってません。
第1章 外来でよく出会う疾患・症状に強くなろう!
1.熱性けいれんにジアゼパム坐薬,どうすべき?
2.こどものてんかん ~基本を学べば怖くない~
3.「食物アレルギーが心配です…」どう対応する?
4.これって,アトピー性皮膚炎? ~湿疹をくり返す.適切な対応は?~
5.「この子は,喘息ですか?」~どう答える? どう診ていく?~
6.急性胃腸炎,保護者への指導はどうする?
~水分摂取のタイミングは? 食事再開はいつから・何を? ~
7.持続する発熱 ~検査する? どう説明する?~
8.「風邪薬を飲んでくれません…」~内服の工夫は? そもそも対症療法は必要?
9.便秘の外来フォロー ~浣腸しても治らない!? 浣腸を嫌がる!? そんなときは…
10.夜尿症,治療はどうすべき? ~大人になれば治る?~
第2章 こどものさまざまな問題に応えよう!
1.乳幼児の発達の遅れ ~紹介する? 様子見る?~
2.体重が増えにくい ~ミルクを足すべき? 母乳育児を希望していたら?~
3.発達障害を疑うこどもに,どう対応する?
4.予防接種を拒否する保護者.どう説明する?
5.園医・校医を頼まれたら
6.不登校の子を診るのは苦手です….対応のコツは?
7.育児相談にのろう!
目次を改めてみて、なんでこんなの買ったんだろ?
「園医・校医を頼まれたら」とか薬剤師まったく関係ないしw
ただただ高かったので買って「ソン」した気分になっただけです。
目次に「こどものさまざまな問題に応えよう!」ってあるけど、これなら森戸やすみ先生の「新装版 小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK」が安価でオススメです。
新小児薬用量
高かったのに、ぜんぜん使ってないよね、うん。
まず勉強に使うかというと、つかわない。これは読み物ではない調べるツールです。
ムコダインやムコソルバンの小児用量は自分で計算するじゃん。
計算できない薬をこれで調べるじゃん。
でも、一般の小児科で、体重や年齢で計算できない薬ってほとんどない。
この本は、大人の薬を、子供に使おうとしたときの投与量を決めるのに役立つけど、そのシチュエーションが普通のクリニックではほぼほぼない。
あるとしたら大学病院前とかのデカイ病院の門前でしょう。
一般クリニックの感冒系の処方は、この本で調べるまでもない。
もし必要であれば薬局で購入してもらって薬局に据え置きしてもらえばいいから、個人で所持する必要はない。
よく使う医薬品(抗生剤)の小児薬用量の超簡単な計算方法を別記事でまとめたのでよかったら参考にしてください。
こどもと薬のQ&A
上記の「小児の薬の選び方使い方」で一通りのことが学べるけど、さらにその上を目指すスペシャリスト志望の方に是非。
かなり勉強になるけど、ちょい高い。でも専門書として買う価値アリです。
目次を見てもらえればわかるけど、ガチすぎるでしょ。
こういうポイントごとのQ&Aは基礎ができてる人が読むといいよ。
マニアックな知識よりも、普段から使える知識の方がよほど大切。
優先順位を間違えないように。
Q1 乳糖不耐症って本当にそんなにいるの?
Q2 乳糖賦形のメリットとデメリット
Q3 乳幼児における散剤の調剤方法について
Q4 NICU 退院時の服薬指導について
Q5 乳児へのアルファカルシドール内用液の飲ませ方について
Q6 フルコナゾールとST 合剤の飲ませ方について
Q7 ルゴール液の味のマスキングについて
Q8 服薬困難な薬を上手に飲んでもらう工夫について
Q9 拒薬の強い患児(発達障害を含む)の服薬について
Q10 患児本人への服薬指導について
Q11 思春期での怠薬防止について
Q12 新生児領域のおススメの図書
Q13 新生児における薬剤経管投与について
Q14 母乳添加用粉末(HMS)やとろみ剤の薬剤部分包について
Q15 セレン内用液の調製方法
Q16 セレン欠乏症患児へのサプリでの補充について
Q17 オメガベンについて
Q18 サイクリックTPN(中心静脈栄養)について
Q19 ミトコンドリアレスキューについて
Q20 エリキシル剤に含まれるアルコールの影響について
Q21 シクロスポリン内用液少量投与について
Q22 経口抗がん薬などの調剤時の注意点
Q23 トレチノインカプセルの懸濁方法について
Q24 経口抗がん薬を服用しやすくするための調剤方法
Q25 保護者がテモゾロミド,シクロホスファミドを投与する際の注意点
Q26 シクロホスファミド内服の在宅管理について
Q27 乳児喘息に対するステロイド静注の投与方法について
Q28 小児における吸入指導について
Q29 アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用薬の使い方
Q30 ステロイドによる成長障害について
Q31 ステロイド外用薬の副作用って本当にあるの?
Q32 ミダゾラムの点鼻/口腔内投与について
Q33 唾液分泌抑制について
Q34 おむつかぶれに使用する外用剤について
Q35 抗ヒスタミン薬の使用について
Q36 造血幹細胞移植・臓器移植後や手術後の予防接種について
Q37 風邪症候群と抗菌薬について
Q38 発熱時の受診勧奨の実際について
Q39 集団生活でのアナフィラキシーに対するエピペンの使用について
Q40 小児の誤飲について
Q41 災害時に常用薬をどう確保する?~慢性疾患を中心として~
続編もあるよ。やる気があるなら「こどもと薬のQ&A 続」も読んで。
Q1 ビタミンK2シロップについて
Q2 先天性トキソプラズマ感染症の治療について
Q3 NICUにおけるプロバイオティクスについて
Q4 服薬中の母体での新生児薬物離脱症候群と授乳について
Q5 乳児の鵞口瘡について
Q6 夜尿症でのオキシブチニンの使い方
Q7 小児維持輸液につて
Q8 重症心身障害児の1日必要カロリーについて
Q9 小児臨床検査値を評価する際のおススメの図書
Q10 小児腎機能評価について
Q11 小児のTDMの注意点は?
Q12 レスピア静注・経口液について
Q13 レスピア静注時のフィルター使用について
Q14 NICUでの配合変化対策・フィルターの取り扱いについて
Q15 NICUでのTPNの混合調製について~リン、カルシウムの配合変化~
Q16 NICUにおけるAラインのヘパリン濃度について
Q17 TPNなど注射薬の調製における薬剤師の介入と調製・投与方法について
Q18 3剤髄注の混合後の安定性について
Q19 メルカトプリン散の調剤について
Q20 ボリコナゾールドライシロップの分包調剤について
など
小児科マスターになりたいなら「こどもと薬のQ&A 続」「こどもと薬のQ&A」は必須ですね。
ぶっちゃけ、あんまり小児科スキじゃない理由
ぶっちゃけ、言っちゃうと、
というのも、手間ばかりかかって、利益的な部分で報われない。
内科の「処方箋単価」になれてしまうと、小児科の処方箋の「処方箋単価」で仕事してるとなんだかバカバカしくなる。
そういうわけで「小児科の門前薬局がまったく儲からない理由まとめ」という記事を書いてみたので、よかったら読んでくださいな。
理想だけでは食べてはいけないんだよ。
あのね、ここだけの話なんだけど、小児科とのマンツーマン薬局はヤメたほうがいいよ。
もし転職計画があるなら当サイト経由してもらえると助かります。
ヤクタマが転職するときに毎度お世話になっているのが「ファルマスタッフ」ってサイトです。
転職サイトとしては忖度なしにヤクタマぶっちぎりでオススメです。
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