こんにちは、はやく一人前になりたい新人薬剤師のヤクタマです。
今回は、一包化の調剤テクニックを紹介します。
どうにか、こうにか「カッコいい薬剤師」になるために偉大なる先輩方を「みようみまね」でガンバってます。
調剤薬局には「みて盗め」的な風潮があるので、手取り足取り教えてくれることはあんまりない。
というのも、薬局薬剤師はスタッフの入れ替わりが激しいため調剤方法までは統一できません。みんなが好き勝手にやってるから教えたくても教えられないというのが現状です。
そこで、今回は、僕が苦労して習得した一包化テクニックを紹介しちゃいます。
「錠剤」を速く取り出すコツ
「一包化調剤スピード」は「除包スピード」に比例します。
はやくプチプチできれば、それだけはやく一包化ができるため、錠剤の持ち方から順に説明していきます。
錠剤の持ち方
これが僕的な基本スタイル▼です。
- 左手に使用する分をにぎりこむ
- 右手でプチプチ
- ヒートを束ねていた輪ゴムは右手にセット
除包する予定のヒートを左手に握り込み、1枚ずつ右手にわたしてプチプチしていきます。
ポイントはヒートを机に置かないことです。これは「置く&拾う」の動作を極力減らすためです。
輪ゴムも同じ理由で、指につけておきます。
外した輪ゴムを置くと、結局、拾うことになるので、そのまま指につけときます。最初は違和感あるけど、なれたらたいしたことない。
輪ゴムを右手につけとけばプチプチが終わったら空ヒートをそのまま束ねることができます。
錠剤をプチプチするコツ
プチプチは「なれ」の要素がデカイけど、なれるまでの速度は心がけでかわってきます。
錠剤をとりだすときに引っかかりやすいものありますよね。でも、ひっかかるのは僕だけで先輩はなにごともなくプチプチと気持ちいいリズムで出していきます。
出しにくいのはヒートのせいではなく力量不足です。
いろいろと試してみてわかったのがスムーズに取り出せるかどうかは力をかける方向しだいなんです。
とりま、ぼくはこういう風に意識してやってます。
いろいろ試してみてたどり着いたのがこんな感じです。ヒートの端っこをつまんで、つまみ出します。
ちょっと曲げながらとりだすことで引っかからずに、スムーズに出てきてくれます。
とりだしたあとのヒートはこんな感じです。ヒートの縁にウネウネと指のあとがついています。
一包化が遅いと心配する同僚がいるけど、それは圧倒的な経験不足。ぼくはたまたま地獄の一包化コースを経験して、新人の中では多くの一包化を押し付けられてきたので、わかるけどプチプチはなれです。
錠剤を入れる順番
これは画像でいいかな。
人それぞれあると思うんだけど、僕はこんな順番でプチプチいれていきます。
マスに振られた数字は無視します。
いちいち上に戻るのは効率悪いように見えるんだけど、これには理由があります。
錠剤をプチプチするときは実際にいれるマスは見ないで、1個上のマスを見ながら下方向に進んでいきます。
こうすることでマスに確実に入っているかどうかを監査しながらプチプチできます。3錠くらいまでならプチプチしながら監査できます。
あんまり多いと監査できなくなるので3錠くらいでセット版を開閉して落としてしまいます。
以前は▼最短距離を突っ走ることこそ最速とかおもってたけど、これだと監査しにくい。
入れ間違えて作り直すのが一番のタイムロスです。
かといって、入れたあとにマスを確認してから落とすと時間がかかってしまいます。
確認しながら、作るのが最速だと思うわけです。
一包化はなるべくつなげようぜ
1日3回の30日分を落とすときに「朝30包・昼30包・夕30包」で3回落とす人と「朝昼夕90包」で1回で落とす人いますよね。
やっぱ回数は少ないほうが効率的だとおもうのよね。
ぼくは圧倒的に90包の1回派です。
もちろん場合によるけど、早めに監査に回したいときは30包だけ先につくってまわしてしまうパターンもある。
ただ1日3回の14日分を「朝14包・昼14包・夕14包」で3回落とす人には、苦笑・・・。まとめた方が「空包」も少なくできるのでエコです。
これは癖だから、細かく落とすのが癖になってる人は直したほうがいい。
どうしても「朝・昼・夕」で分けたい人は「縦割り」設定を活用するといいでしょう。分包機を上手に活用するプチテクニックは別の記事で紹介しています。
錠剤をトリダス指が痛くならない道具
自分で言っちゃうけど「薬剤師の指は消耗品」です。耐久限度というものがあるので、なるべく消耗しないように戦ったほうがいい。
ぼくの耐久限度は「2000錠」くらいです。それ以上やると指先割れる。
年月を重ねることで指先が固くなり耐久限度はレベルアップしていきます。ゆくゆくは「3000錠とか余裕だし。。。」っていえる薬剤師になりたい。
今は「3000錠とか余裕だし・・・」なんて言えないから、耐久限界に達する前に道具にたよりますよね。
オススメは「トリダス」です。
他にもいろいろなPTP除包器具があるので他の記事でまとめています。
「トリダス」はマジ「神」
これは良いです。おすすめです。
穴あけパンチみたいな機械でヒートの錠剤に狙いをさだめてパチパチパチと1錠ずつとりだしていきます。
けっこう、速く取り出せます。
メリットは「指が痛くない」こと。デメリットはバラしたあとに1錠ずつマスにいれるから、ヒートから直接マスにいれるよりも一手間かかること。
ようするに指でプチプチするよりもちょっと時間がかかるけど、指を消耗しなくてすむ。よほど急いでない限りツールに頼れるところは頼ってもいいとおもうのよね。
これつかってると先輩薬剤師に甘えてると思われるの。実際、「男性薬剤師」はこれ使わんのよ。
普段使ってるのは「女性薬剤師」だけ。まぁ、ぼくは「ゆとり」だから率先してつかうけどねw
「トリダスPRO」はとりだせず
上記で紹介した「トリダス」の進化版です。お値段も進化しております。
この「トリダスPRO」はヒートから錠剤をプチプチしながら、そのままマスにいれることができるというスグレモノ。
でもねぇ、操作がムズイのよ。全然速くできなくてストレス溜まってイライラがつのる。
技術が未熟なせいかもしれないけど、うちの薬局は薬剤師5人でサンプル試してみて満場一致の不採用です。
ごめんなさい、使いづらいです。
- ノズルの先端をマスにだしいれする上下の動きが必要
- ノズルの先端を次のマスに移動させる左右の動きが必要
- ノズルを上下左右に移動させながら手元ではヒートをプチプチする精密作業はできない
- しかも、手元のヒートが邪魔でマスが目視できない
一包化調剤に失敗したあとのリカバリー方法
リカバリー大事です。
過去記事で「散剤の調剤に失敗したときのリカバリー方法」を紹介しています。
人間だもの、だれだって失敗します。
失敗は仕方ないとして、失敗したらいかにロスをなくして最小限の被害にとどめてリカバリーするかが大切。
ぼくのリカバリー大作戦はこんな感じ。
一包化で失敗したら全部バラバラにして巻き直しです。
もし同僚が失敗してしまったら、それを「他人事」とするのではなく、手助けしてあげると、次に自分が失敗したときには、きっと助けになってくれるはずです。
もちろん患者のためにもなるね。
肝心のリカバリー方法というと、全部ちぎって1個ずつ斜めにカットしてやります。そしたら分包機のマスに戻しやすいでしょ。
失敗した薬剤師がどんどんマスに投入していきます。その横で全部をちぎちぎして斜めにカットしてやります。
これを無言でアシストしてやったら先輩感激のはずです。ぼくはアシストされたことないけどね。
一包化できない錠剤
「下剤」と「吸湿性が高い」のは注意よね。
こういうのを先に覚えておいて、作る前に「ハジク」ことが大切。作ったあと「ダメだ~」ってなっても、ヒートに戻せないから。
下剤について
在宅・施設の一包化で、ネックになるのが「下剤」です。
下剤は調節するから一包化に「入れる」「入れない」の判断が必要になります。作る前に薬歴を確認するようにしよう。
恐怖の「下剤ホチキスどめ」あれはやりすぎると薬局の労働者の首をしめることになるから、なるべく提案しないほうがいい。
「ホチキス残業」とかイヤでしょ。ぼくは無償の「ホチキス残業」しまくってますからね。
下剤は極力ヒートわたしで。
錠剤の特性上一包化に適さなに錠剤
ブリスターシートのやつは一包化する前に判断が必要になります。
ブリスターシートはつまり湿気に弱いというイメージで疑いを持つことが大切。ベルソムラとか一包化ダメらしいからね。
一包化加算の算定要件を学ぶ
一包化の算定要件は長くなるので別の記事でまとめています。
たくさんの処方例を使用して、わかりやすくまとめてみました。
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