こんにちはヤクタマです。
2年に1回の調剤報酬改定の時期がやってまいりました。
すでに点数も発表されたので、今回の改定は「プラスなのか?」「マイナスなのか?」をサクッと紹介していきます。
今回の診療報酬改定は全体として「+0.55%」で調剤部分は「+0.16%」だそうです。
やったねプラス改定です。
引用診療報酬改定についてより
が、しかし、プラスだからといって喜ぶのはまだ早い!!
こちらは例年プラスになるのですが、実際の店舗の売上は着実にマイナスへとすすんでおります。
今回は、影響の大きい変更点をピックアップして紹介していきます。
調剤基本料1~3
調剤基本料の点数は据え置きですが、要件が微妙に厳しくなっています。
調剤基本料1:42点
調剤基本料2:26点
調剤基本料3(イ):21点
調剤基本料3(ロ):16点
調剤基本料1をそのままとれれば影響なしですが、要件が厳しくなったことで2や3に落ちてしまうと大幅なマイナス改定です。
ただ、そこまで大きな要件変更ではないためマイナスに該当する薬局の数はそんなに多くない。
そ・れ・よ・り・も、
全店に影響する重大なマイナス規定が新設されてしまいました。
それが「複数の医療機関から交付された処方箋を同時に受けた場合は2枚目以降の調剤基本料が80/100」です。
なんと2枚目以降の基本料が20%カットになるという内容です。
具体的には、調剤基本料1を算定している場合は-8.4点のマイナスです。
大切なことなので別記事で詳しく解説しています。
後発医薬品調剤体制加算
後発品への変更割合によって減額(-3点)、据え置き、増額(+2点)とバラエティーに富む内容ですね。
変更割合 | 2020年改定 | 2018年改定 | 改定の影響 |
75%以上 | 15点 | 18点 | -3点 |
80%以上 | 22点 | 22点 | |
85%以上 | 28点 | 26点 | +2点 |
後発品への変更割合は、据え置きですが、点数がかわってきます。
以前は、段階ごとに4点違いでしたが、今回の改定で格差がすごいことになってます。
とくに75%と80%では7点も違うから、改定を機にワンランク上を目指さなければならない。
そうそう、
医科側では「一般名処方加算」がプラスになっています。
2020年 | 2018年 | |
一般名処方加算1 | 7点 | 6点 |
一般名処方加算2 | 5点 | 4点 |
一般名にかえるだけで7点もらえます。
銘柄処方のドクターにはもう一度アプローチしてみるのもいいかもしれません。
一般名処方加算について別記事で詳しく解説しているので 1 と 2 の違いがわからない人はチェックしてみてください。
域支援体制加算
域支援体制加算はシンプルにプラス改定です。
地域支援体制加算 35点 → 38点
要件はあんまりかわりないので、そのまま取れれば3点UPです。
ここは単純にプラスと考えていいでしょう。
プラスになったのは「モノからヒトへ」という方針によるとこなのでしょう。
薬剤服用歴管理指導料
薬剤服用歴管理指導料も単純にプラスです。
薬剤服用歴管理指導料1(手帳あり):41点 → 43点(+2点)
薬剤服用歴管理指導料2(手帳なし):53点 → 57点(+4点)
かかりつけ薬剤師指導料:73点 → 76点(+3点)
「手帳あり」と記載しましたが、正確には「手帳あり、かつ、3ヶ月以内の再来局の場合」です。
ポイントは「手帳なし」の大幅増額です。
しかも「手帳あり(薬剤服用歴管理指導料1)」の要件が6ヶ月以内から3ヶ月以内に変わったので「手帳なし」の該当者が増えます。
手帳「あり」と「なし」で14点も違うのは、お薬手帳の持参を促すためです。
薬局としては「なし」の方が利益率が高いけど「なし」の割合が多いとペナルティーがあるため継続して手帳の持参を促さなければならない。
「なし」でも「あり」でもプラス改定であることにはかわりありません。
プラスになったのは「モノからヒトへ」という方針によるとこなのでしょう。
内服薬の調剤料が激落ちくん
もっとも影響が大きい改定内容が内服薬「調剤料」だとおもいます。
日数 | 2020年 | 2018年 | 改定の影響 |
~7日 | 28点 | 5点/1日 | |
8~14日 | 55点 | 4点/1日 | |
15~21日 | 64点 | 67点 | -3点 |
22~30日 | 77点 | 78点 | -1点 |
31日以上 | 86点 | 86点 |
これがプラスになるかマイナスになるかは日数しだいです。ビスホスホネート系の月イチ製剤に関しては確実にプラスになるため整形門前には朗報かもしれません。
それよりも影響が多いのが15日~21日の調剤料マイナス3点です。
えっ、いきなりマイナス3点もしますか?
調剤料は1回の受付で3個までとることができるので最大でマイナス9点になります。
9点というのは上記でいろいろとプラスになったものをすべて帳消しにするほどの破壊力があります。
地域支援体制加算+3点、後発加算+2点、薬剤服用歴管理指導料+2点をすべて合計してもマイナスの方が大きい。
15日~21日が3剤という最悪を想定したシュミレーションですが、このパターンはすくなくないはずです。
ここれでのキーワードもまた「モノからヒトへ」へです。調剤(ピッキング)というのは対物業務(モノ)に該当するから削られて、対人業務に該当する薬剤服用歴管理指導料に割り振られたわけです。
調剤料については別記事でガッツリまとめております。
各種加算の新設
各種加算がいろいろと新設されました。
上記の加算でリンクがはいってるモノは別記事で詳しく解説しています。
基本料と違って毎回取るわけではなく、月に1回とるか、とらないかなので、影響はほとんどありません。
一生とらない薬局も多いでしょうね。
まとめ
とにかく内服薬の調剤料のマイナスが大きい、そして地味に処方箋2枚目の基本料20%カットが痛い。
とても薬剤服用歴管理指導料のプラス2点 or 4点でカバーできるものではありません。
地域支援体制加算をとっていたとしてプラス3点、後発医薬品調剤体制加算(85%以上)をとっていたとしてプラス2点です。
これらを合わせてとることで、ようやくトントンになります。
この2種類をとっている薬局でなければ今回はマイナス改定といえます。
後発医薬品調剤体制加算(75%以上)なら、さらにマイナス3点の追い打ちです。
今回の改定は、前評判(超マイナス予想)があまりにもよくなかったので、ふたを開けてみて安心している人もおおいけど、だまされていはいけません。
着実にマイナス方向にすすんでいます。
いままでと同じことをしていてもジリ貧なので、これから自分たちの薬局がどのようにシフトしていくべきなのかスタッフ一同で決めていきましょう。
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